ISBNって何だ?
このサイトを立ち上げる時、本の情報を調べていてこれに気が付きました。手近な本を一冊取って、巻末の奥付部分、または裏表紙にある数列を見てみて下さい。
ISBN4-257-76907-6
" ISBN " 図書館や書店で本を検索する時にも、本の詳細情報に出てきます。 " ISDN C分類 " という言葉も表示されます。これは一体、なんなのでしょう。
International Standard Book Number
" International Standard Book Number" : 国際標準図書番号。
文字通り、書籍を管理する国際規格です。
世界中の全ての本が、この番号によって登録・管理されています。
ISBNは全10桁で、はじめの9桁は0から9まで、10桁目は0から10(X:ローマ数字表記)までの数字が当てはまります。
ハイフン(−)による区切りは、人が見るときにわかりやすくするためのもので、無くても機械は正しく読み取ってくれます。
上記の例では、日本(4)で、朝日ソノラマ(257)から出版された書籍の、76907番ということが記されています。
試しに、社団法人 日本書籍出版協会が運営する書籍検索サイト[Books ]で、このISBNを使って検索してみましょう。一発で出てきます。
著者名をクリックするだけで、その作家の他の著作を調べることが出来て、とても便利に使っています。
ただ、絶版になるなどして書店で手に入らないものは除外されていますので、あしからず。
また、9桁の区切り方は融通が利くようです。
例えば、映画関連の書籍を発行しているフィルムアート社のコードは、(8459)という具合に4桁です。
10桁目のエラーチェックというものは、馴染みが薄いかも知れません。
それまでの9桁が間違ったものでないかを確認するために、9桁をある計算式にかけた答えを記したものです。
これを使って、算数の確かめ算に似たことをして、機械はコードの正誤を判別します。コンピューターを勉強している方や、ゲームのセーブデータに手を加えた(注:勿論メーカー保障外の行為ですよ!)ことのある方は、チェックサムといったものを思い出して、ピンと来るものがあると思います。
この9桁+1桁によって、100億冊の本を管理できるそうです。
ちなみに、2000年度に日本で出版された新刊書籍の発行点数は、67,522点です。
この許容量の膨大さに、おぼろげながら目安がつくのではないでしょうか。
分類コード
書店のホームページで書籍を検索した際に表示された、この分類方法は、"日本図書コード " の一部として、書籍の読者対象、発行形態、内容を記したものです。
日本図書コードは、国際規格であるISBNに、上記の分類コードと、本体価格をあらわすコードをくわえた日本独自の規格で、日本図書コード管理センターによって管理されています。
本の奥付、または背表紙をみると、ISDNコードに続いて、c を頭に4桁の数字が並んでいます。
これが分類コードで、更に続くのが、言わずもがなのお値段です。
上にあげたのは、『歌う船』の日本図書コードです。
これを、[ Books ]に掲載されている[ 分類コード一覧 ]に照らし合わせると、一般(0)向けの、文庫(1)サイズで製本された、外国文学の小説、ないし戯曲(97)を扱う、本体価格640円(\640E)の本である、ということがわかるわけです。
ちなみに、書店で読み取っているバーコードは、この日本図書コードをバーコード化したもので、"日本JAN(Japanese Article Numbering )コード" という名称です。(…訳すと意味が重複しますね。)
バーコード下部の数字をよく見てみて下さい。となりのコードと、同じ番号が、見つかるはずです。
リファレンス
ISBNについての主な情報は、久留米工業大学ホームページ内にある、渋谷憲政氏の[ Sib-Home ] を参照させて頂きました。ISBNを分かりやすく解説した上で、エラーチェックについて詳細に書かれたコンテンツがあります。
また、日本図書コードについては、[ 日本図書コード管理センター ]や、上記で紹介した[ Books ]の、[ 分類コード一覧 ]を参照させて頂きました。
新刊発行点数は、[ 日本出版労働組合連合会ホームページ ]内、[ 太郎さんと花子さんの出版技術講座3・1 2000年度の出版業界の動向 ]から、引用させて頂きました。