・朝...綾小路宅...光の部屋...

−ちゅんちゅん
−ちゅんちゅん

ぅうん……朝だ……
夕べ遅くまでテレビを見ていた所為か、瞼が重い。
まだ寝ててもいいか。今日は、日曜日なんだし…。

そこまでぼーっと考えながら、お布団の中で伸びをする。
うぅーーーんっ。 ……あれ?
伸びをした身体がどこかおかしい。
両手を突いてうんと伸ばして、背は弓なり。お尻の先に、何か感覚がある。
これって……。
はっきりと頭が冴えて、目が覚めた私は瞼を開く。
白い毛がびっしりと生えた、可愛らしい前足。肉球。

光 「きゃうんっ!」

嘘……犬になっちゃった。

神語SS 変身…わん! [ 前編 ]

……『コッテリヤ』のタマゴシェイクって、実は青海苔を掛けると美味しいのよね。
って、思わずヘンなことを考えてしまったけど、それで目の前の小さな前足が、ちょっと病的にも見える白い肌の、見慣れた手に変わるわけではなかった。
向かいの姿見の中に、ちょこんと座った小型犬がいる。
垂れた大きな耳、控えめに突き出した口に、愛らしく濡れた小さな鼻。
白と明るい茶に染め分けられた、長く柔らかな毛並みに包まれて、大きな黒目がこっちを見返している。
それは見まごうことなく、最近、私がいたく気に入った、キャバリアの姿だ。
どうして?私、何かした?朝拝はサボってないし、境内の清掃も欠かしていない。
『サークルニュー』のヘンな茸なんて食べてないし、犬に恨まれるようなこともしてない。それがキャバリアのような可愛い犬なら、なおさらだ。
どうしよう。どうしよう。どうしよう!

コンコン

神楽「光姉様?」

パニックになってしまった私は、いつの間にか声を上げていたらしい。
戸の向こうに、いつもはあと30分ほど経ってから起こしに来る神楽がいる。天の助け!
どうしよう神楽。私、こんな格好になっちゃったよ…!
部屋に入ってきた神楽は、ベッドの上に座り込んだ私を見て呆然とした。

神楽「まぁ……光姉様……!」

ちょっとした仕草やただならぬ気配で察したらしい。
ああ、こんな姿になっても分かってくれるなんて、なんてありがたいんだろう。
目に涙しながら感激に打ち震える私を見て、神楽は大きくため息をついた。

神楽「いくら犬を飼いたいといっても、お父様に何の相談もなさらないなんて……ほんとに光姉様ったら……」

……そんなぁ、神楽ぁ…。

光 「きゅう、きゅう、きゅう、きゅう…」
神楽「あら……随分人に馴れているんですね……ほら、鳴かないで……お腹が空いているのですか?」

神楽が両手を私の脇に入れて、ひょいと抱え上げる。
相手が犬だろうが猫だろうが、優しくしてくれる神楽……それだけだって今の私にはかなり嬉しい。
−ぺろっ

神楽「きゃっ!」

神楽の驚いた声で我に返った。わ、私、神楽を舐めた?
体が思うよりも早く動くことに、私は今更ながらに気が付いた。
知らないうちに鼻を鳴らしていたし、今だって尻尾はぱたぱた動いて止まらないし。
何か懐かしい感覚だけど、これはこれで、結構怖いものがある。
怒らないでね、神楽…。
しばし呆けた神楽は、私の顔を見てにっこり微笑むと、言った。

神楽「どこから貰われて来たにせよ、まずは体を綺麗にしなければいけませんね」

 

[暗転]

どぽぽぽぽぽぽ・・・
きゅっ
ざばーーーっ
光 「ひゃん!」
神楽「あ!じっとしてて…きゃあ!」
ごん がらからから・・・

 

・日上神社...境内...

綺麗な青空に白い雲が、呑気に浮かんでいる。
暖かいお日様が濡れた体を乾かして……はぁ、毛に絡んだ泥が固まって、かなり具合が悪い。
それというのも、俊敏な神楽の手を逃れる為に、境内の下まで潜り込んだ所為だ。
足が立つのかもよく分からないタライの湯船、遥か頭上から痛いくらいに叩きつけるシャワー。
家は、人間の大きさに合わせて作られたものなんだって、つくづく思い知らされたわ。
お風呂が怖い…なんて、まるで小さな子どもみたいだけど、仕方ない。
今の私は子どもよりも小さいのだ。
……別に居直ってなんかいないわよ。
それより、これからどうしたらいいだろう。

神楽「わんちゃーん……どこへ行ったんでしょう……」

うぅ、ここにはもう居られないわ…。
私はこっそりと、神楽に見つからないように植え込みの間を縫って通りに出た。
機転の利く小百合先輩の家は……私は知らない。
犬の言葉でも分かりそうな『事代主(コトシロヌシ)』、柊先輩の家は……ううん、この姿で姫乃ちゃんに見つかるのは、ちょっと怖い気がする。
結局、私は学院に向かうことにした。
お願い新条先生、今日は休日出勤しててください…!
最悪、明日の朝まで校舎裏の植え込みで待つ覚悟を決めなければいけない。それだけは勘弁して欲しかった。

神楽「わんちゃーん……外に出てしまったら、危ないのに……」

 

・通学路...

改めて見慣れているはずの景色を見渡すと、まるで別の場所のように感じる。
まず、私の視界には色が無い。まったくの無色という訳でもないのだけど、明るい色の風合いが何となく分かる程度。
その代わり、明暗の差がくっきりと、シャープに目に飛び込んでくる。
音や匂いが空気の中にたちこめて、手で触れられるくらいにはっきりと見える。
こうして見ると、道路を歩くよりも遥かに沢山の「道」があることに気が付く。
人家の裏手、塀の隙間。そうした僅かな土の上は、芳醇な香りさえしていて、よほど歩きやすそうだ。
いくつもの足音がよく聞こえて、複雑で強い匂いが行く手を多彩に遮る。
目くるめくような匂いに夢中になっていた時だ。

・・・ばさっ

感覚の隅に、警報が鳴った。

光 「ぅわんっ!」
ばさばささ!

横跳びに飛びのくと、一瞬前まで私の首があったところを鋭い爪が通り過ぎた。
鴉だ。
…鴉って、犬も襲うの?
テレビの特集『都会の野鳥』で、ネズミや仔猫、他の鳥の巣にいる雛まで餌にするという話を思い出して、背筋が凍りついた。
洒落にならないわよ……本当に。

−アーッ、アーッ

私を襲った鴉は、2つ向こうの電柱にとまってこちらを見ている。
普段は可愛いと思う軽く首を傾げる仕草が、今はとても不気味に見える。
これをかわして学院に行かなきゃいけないなんて…

ちょっと前の私なら、正直なところ、挫けそうになっていたかもしれない。
けれども、今は違った。お腹の底から、ふつふつと闘志が湧いてくる。
いい根性だわ。どこからでもかかって来なさいっ!

光 「ぅー…わうあうあうあうあうあうあうあうあうっ!」

−クアーッ!

私の声の限りの威嚇に、鴉も応えた。
その途端。

ばさっ ばささっ ばささささっ

続々と鴉が集まって、私目掛けて急降下してきた。その数6羽。
あ、あなたたちにまで喧嘩売ってないわよっ、私は!
私の叫びなんてお構いなしで鴉たちが飛んで来る。
もう気分は、ヒッチコックの『鳥』に出演したティッピ・ヘドレン。
縄で縛られていないだけましと思う他ない。

私はとにかく走った。
もちろん逃げるのだ。
小さいながらも、走るために作られた四ツ足の体が頼もしい。
それが私に、更なる自信を与えてくれる。
…くれるんだけど。
ジグザグに走るなんて、狭い道路では逃げ場を無くすだけだとすぐに思い知った。
危うく包囲されかけて、肩のところに引っ掻き傷を貰ってしまう。
間一髪で爪を避け、茂みをくぐり、路肩に停めてある軽トラックの下に入る。
嫁入り前の柔肌に……
遣る瀬無さに背筋があわ立ち、毛を逆立てる。
『生太刀(イクタチ)』を使って逆襲したいと思う気持ちが頭をよぎる。
けれども、呼び出したとしても、この体で振るいきれるだろうか?
ううん。それ以前に、生き物相手にあの剣を振るうことは、もうしたくない。
どの道、今の私に、神の高ぶりは遠く感じる。
神霊力を纏って傷を癒すことさえ出来ない。
私は、私の力でなんとかしなくちゃいけないのだ。

傷はたいしたこと無い。大丈夫。
見回せば横合いの家の境界は生垣で、大きく茂った庭木が空を遮っている。
目眩ましになることを祈って、飛び込んだ!

−アぁアーーーッ!

地面に1羽、柿の木の上に2羽。
…待ち伏せされてた。鴉って本当に賢い…。

ばさっ

正面の1羽が、通せんぼをするみたいに翼を大きく広げて、笑い声そっくりに低く鳴いた。



[ End of A part. ]


****** ****** ******


地面に1羽、柿の木の上に2羽。
…待ち伏せされてた。鴉って本当に賢い…。

ばさっ

正面の1羽が、通せんぼをするみたいに翼を大きく広げて、笑い声そっくりに低く鳴いた。

 

神語SS 変身・・・わん! [ 後編 ]

 

あっと思う間に、私は目の前の鴉に飛びかかっていた。

…まるで他人事みたいになってしまうのは許して欲しい。
気が付いた時には体が動いていたのだ。
ただ私には、戸惑う隙も、疑う余地もなかった。

光 「ぅ わうっ!」

私が向かった相手は、危なげなく空に飛び上がって避けた。
きっと鴉たちも、私と同じような反射の上で動いてるんだろう。
だったら、条件は相変わらず私の不利。
もう私には敵わないんだってことを教えてやれるまで、鴉は諦めないだろう。
私はそっと、自分の立っている庭の様子を観察する…。
今の一声で他の3羽も気が付いたようだ。

ばさ ばささっ

木の上の一羽が突進してきた。
残りの1羽は、私と目があっている。動かない。
それと、後ろから羽ばたきがもう1つ。
人間なら不意を突かれるタイミングだけど、それも苦にならない。
私の視界は、今、とても広くて、身体は熱くて、頭は冴えてる。
素早く動けば、全部の鴉を確認できる。
壁を背にする必要なんか全然ない。
体が嘘みたいに軽い。
こんなに動けるなら、ずっとキャバリアのままだっていいかもしれない…。

− ガアアーーッ

ふっと思考に捕らわれた一瞬、真後ろから一際大きな鴉が突っ込んできた。
避けられない!
とっさに足元にキープしていた小石を、そいつ目掛けて蹴飛ばした。

− ギャアッ

う、上手くいった……!
犬が石を使うなんて、まるきり予想外だったんだろう。他の鴉たちの動きが一斉に凍りついた。
ここで、白黒つけとかなきゃ。

私は胸を張って顔を上げ、油断なく見渡して威を示す。
石を頭に受けた鴉は、倒れて動かない。
残りの5羽は、私と仲間を交互に見比べて……飛び去っていった。

 

終わった。良かったー…。
圧迫感の消えた空が、すごく広く感じる。
優しく吹く風が、口からだらりと垂らした舌に当たって気持ちいい…。
はしたないなんて思わないでよね。
犬はほとんど汗をかけないから、こうやって体温下げるしかないんだから。
奮い立たせていた尻尾ももう限界。

心臓はバクバク言ってて、足はまるで骨を抜かれたよう。
やっぱり私は荒事に向いてないわ。
こんな時には誰よりも元気になるであろう幼馴染の顔が、ふっと浮かんだ。

石を受けた鴉は、倒れて動かない。
今のうちに、学院に行かなきゃ。
庭の縁に低く積まれたブロックにひょいと飛び乗る。そのまま降りて…

ずるっ

ぼちゃん!

足を滑らせて、側溝に転げてしまう。
近くの湧水を川まで導くための大きな側溝には蓋がなくて、水量が多い。

ずきっ

動こうとして、肩の傷がずくずくと痛み出した。
側溝に打ちつけた体が重い。水が冷たい。
愁…私なにやってんだろうね…。

目の前をアジサイの花びらが流れていく。
危ない目にあったって、そう簡単に負けない自信があった。
倒れる度、辛くなる度に思い出す。
もう絵に描けるくらい覚えこんだ幼馴染の顔。
どんな時だって傍に居てくれた愁の為に。
私は強くなるのだと、その姿に誓ったのだ。

光 「きゅう……」

だけど

光 「きゅう、きゅう……」

だけど、犬になっちゃった私を愁はどう思うだろう。
もし愁に見向きもされなかったりしたら、私は耐えられないかもしれない。
震えが止まらない。

だから、早く保健室に行かなくちゃ。

何とか立ち上がったずぶ濡れの私を、黒い大きな影が覆った。
濃い匂い。高い背丈をタンクトップと綿シャツで包んだ男の人。表情は前髪で隠れていて…
…愁だ。

愁 「………捨て犬か?」

私は思いっきり、愁のズボンにしがみ付いてやった。

 

 

 

神崎宅...居間...

ぶわ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

私はもう上機嫌だった。
汚れていた毛は残らずつやつやに光って、ドライヤーの暖かい風になびいている。
密かに気に入っている、お腹から太ももにかけての長い飾り毛もピカピカだ。
何故綺麗になっているかと言うと……愁が洗ってくれたからだ。

 道端の側溝で出会って直ぐに、愁は私が怪我を負っていることに気が付いた。
  その目はとても真面目だったから、傷は私が思ってた以上に酷かったのかもしれない。
  周りから見えないように私を抱え込むと、愁は『力』を使って治療してくれた。
  この時の嬉しさを、私はきっと、生涯忘れないだろう。
  それから、私は、私が石をぶつけた鴉も咥えて行って、治して貰った。
  愁はそんな私に少し首を捻ってたけど、何を思ったのか、かえって気に入ったみたいだった。
  鴉が元気に飛び立っていくと、私を抱き上げて家まで連れて帰ったのだ。

 ぐしょぐしょに汚れたズボンと綿シャツを洗濯機に放り込むと、愁は私を風呂場に連れ込んだ。
  お風呂はもうこりごりで、私は直ぐに逃げ出そうとしたんだけど…。

 愁 「……待てよ」

 大きな手でぐっと捕まれると、もう逃げる気なんて失せてしまっていた。
  今まで一度も感じたことはなかったのだけど、愁の声にはある種の迫力がある。
  水怖さに浮き足立った腰も座り、後は大人しく、シャンプーで全身を泡立てられて、されるがまま。

 わしわしわしわしわしわしわしわしわしわしわし…
  わしわしわしわしわしわしわしわしわしわしわし…

 光 「くぅぅぅん……きゃいっ!」
  愁 「あ?……痛かったか。わりぃな、不器用で。丁寧に、優しく……」
  光 「ふ……くぅぅぅん、きゅうぅぅぅ!」
  愁 「…………何だ?」

い、言えない……
愁の掌が気持ち良すぎて『点火』寸前だったなんて、死んだって言えない……!
今ドライヤーを私に向けているこいつは、生き物を撫でる才能でも持っているのかもしれない。
体を洗う、という行為に愁は手を抜かず、私はそれこそ全身隈なく洗われてしまったのだ。
そ、その、何ていうか……これは悦んではいけない一線なんだと、私は必死の思いでこらえきった。
ううっ、助かったわ。本当に助かったー…。

愁 「……よし。こんなもんだな」

愁はドライヤーを置くと、次にブラシを取り出して、私の毛を梳きはじめる。
あ……極楽ぅ……。
ん、と目を細めると、私は傷の癒えた鴉の、去り際の言葉を思い出した。

 『御身の姿が綻びしは、日が月に食われしゆえ…
   一両日あらば、形は再び繕われるだろう。
   …戯れに傷つけたこと、あい済まなかった。』

そう言って私に頭を下げた鴉の瞳は、モノクロの視界の中で紛れもなく青かった。
神武天皇を熊野村から導いた大きな烏『八咫烏(ヤタガラス)』も、天から使わされた神霊のもの。
どうやら私は、からかわれていたみたい……嫌なやつだ。

鴉の言う通りなら、私は日食の度に、犬になっちゃうのだろうか?
でも、普段不精者の愁に、こんな風にして貰えるなら、それもいいかもしれない。
それに、もうあと1日くらい、こうして居たっていいとさえと思う。

愁 「とっといて正解だったな……来いよ」

あ…いつの間にか寝ちゃってたんだ…。
2階から降りてきた愁が私を手招きした。
何だろう、見れば愁の手には一本のリボン。古い、大切な匂い。
それを愁は、私の首に巻いた。
綺麗なチェックの模様が、首の後ろで蝶々をつくる。

これ、愛さんが使ってたリボンだ……。
鏡の前で、とてとて、と一回転してみる。
これをつけた自分が、急に誇らしく思えた。
……一ヵ月くらいこのままだって、いいかも知れない。
外を走り回りたい気分だ。

すると……あれ?
愁はもうひとつ何かを取り出した。
その端を私のリボンに結わいつける。
ロープ……ちょ、ちょっと。愁?!

愁 「よし、首輪とリードの代わりには充分だろ。
    躾ははじめが肝心だとか、光のやつが言ってたからな。ちゃんとできたら、散歩に連れてってやるぞ」

散歩の訓練……?飼い主の隣について歩けるようにする練習だ。
そういえば……
少し前に、愁に「もし犬を飼うなら…」って話をして、飼い主の心得を聞かせたことがあったっけ。
私の話……ちゃんと覚えてたんだ……愁。
嬉しいような……とっても迷惑なような……
と言うか、こいつ、私を飼う気だ。

愁 「号令は確か……おい、“ツケ”」

や、やっぱり、犬の生活は耐えられそうにないわ……。
私は、一分でも早く元に戻れる方法があるか、鴉に聞けば良かったと後悔しながら窓の外を見た。
するとそこに、青い目の鴉が居るじゃない!
そいつは愁の傍について部屋を歩く私を見ると、笑うように高く鳴いた。

− あァァァアっ!

は、早く人間になりたーい!

 

[後日談]

 

キーン コーン カーン コーン

・ある日...大和川学院...教室...昼休み...

美雪「愁先輩と光先輩、最近とっても仲良しさんです〜♪」
姫乃「あ!それ私も思った! いっつも愁の左っ側に寄り添っててさ。自然なんだよねー」
光 「や、やだ。そんなんじゃないわよ」
美雪「ほんと、まるで犬さんみたいですー☆」
光 「え、えええええええっ! そんな、べ、別に…!」
愁 「……光」
光 「えっ、な、何?」
愁 「お手」

左手を差し出す愁。右手を乗せる光。

一同「…………」
美雪「……わあ☆」

光 「しゅ、愁のばかーーーーーっ!」

桜木「……いまのは、神崎くんが悪いと思います……」
愁 「ん……そうか」

屋上まで追い駆けて、光の手を取る愁。
白く細い手首には、チェックのリボンが揺れていたとか…。

 

[ 終劇 ]

 

 

−・−

キャバリア。 正式には「キャバリア・キング・チャールズ・スパニエル」というそうです。

キャバリアは古英語で「騎士」の意味。
キング・チャールズ・スパニエルという、より大型な犬を元に作られたそうで、
身のこなしの優雅な、活発で勇敢な犬種です。

2003/07/06 「神語ねたばれ掲示板」に投稿